days of atresure

ロサンゼルスのシェルターにいたRookie。Rookieの一時預かりボランティア中に、日本帰国が決まり、正式に家族として迎えることに。大変なこと、幸せなこと、最近では幸せなことばかり、、、綴っています。本ブログの画像および文章の著作権はmamiにあります。無断転載を禁止します。

RESCUE INK

National GeographicチャンネルでDog Whisperer、DOG TOWNに続いて、RESCUE INKという犬番組が始まり、話題になっていました。
そして先週の金曜日から日本のNational Geographicでも放送が始まりました。日本の番組名は「バイク野郎の動物レスキュー隊」。

dogtownボランティアによる犬の散歩風景
RESCUE INKより前に放送していたDOG TOWNはユタ州にある、犬のプロ(獣医、トレーナー、行動学者、トリマー)が専属スタッフとして常駐し、資金も潤沢で広大な施設とたくさんのボランティアを持っているBEST FRIENDSという愛護団体のレスキュー活動のドキュメンタリーでした。

犬を引き出したり里親を見つけるシーンなどはほとんどなく、重きをおいているのは、心や身体に傷を負った犬をシェルターに運んだ後、どうケアしていくかということ。身体に障害のある犬は専属の獣医が犬の担当者と相談しながらケアしていき、問題行動のある犬は専属のトレーナーが問題行動が治るまでとことんつきあい、家庭犬としてのテストに合格してから里親を探します。
シェルターにいる間、犬達はスタッフやボランティアとの交流を通して、人間に心を許して人間が大好きになっていきます。

犬のプロの集団が、保護犬達をどういうケアをしていくのか、参考になる番組です。


で、今回はじまったRESCUE INKは動物のことには全く素人、だけど動物を愛してやまない優しい心を持ったコワモテのニイちゃんたちが集まった保護団体。
シェルターも知識も持たない彼らがどんなレスキュー活動をするのかと楽しみにしていました。

彼らは飼えなくなった動物たちを引き取り、問題行動のある犬はドッグトレーナーのもとで矯正させてから里親を探し、不妊手術の済んでいない動物は不妊手術を受けさせてから里親を探すというステップをきちんと踏んでいました。
自分達にできない部分をきちんと把握し、そこはプロに相談して、正しい方法で解決していました。
番組内で私がいちばんうなづいた言葉は「俺らはアニマルレスキューだけど、その家族も助けたいんだ」という言葉。
これはとても大事だと私も思います。
レスキュー活動をしているとどうしてもエモーショナルになりがちで、動物の家族を傷つけてしまうことがあります。家族が幸せならばペットも幸せ、家族が無理していたら、やっぱりペットも辛いと思います。
その言葉通り、彼らは助けを求める飼い主達にとても親切に真摯に向き合って、レスキュー団体にありがちな「飼い主との対立で動物が犠牲になる」という点をクリアしています。
ヘルニアで歩けなくなった犬を手放したいという飼い主には、犬が歩けるようになるようにマッサージや筋肉トレーニングの方法をプロから教わって飼い主にそれをきちんと伝え、車いすをオーダーして、その犬が飼い主と暮らせるように手助けしました。
感情的な団体だとここで飼い主を責めてしまいがちなので、こういうハッピーエンドは難しかったと思います。
またヘルニアの治療にあたって、ボランティアのうちふたりは全く考え方がちがかったのですが、「俺と奴とでは信条がまるで違う。奴は自然治癒力を信じているし(彼はマッサージしながら気を送ったり、神に祈ります)、俺は科学的トレーニングが必要だと思ってる(彼は病院でリハビリの方法を学び家族に伝えます)。だから良いんだ。ふたりがいればあの子は絶対歩けるようになる」と言ってふたりは互いに協力していきます。これも素敵だなと思いました。
互いに信条は違っても、「犬を幸せにしたい」という同じ目標にむかって、協力している。
信条や考え方が違う相手を排除せず、協力することでプラスになることは多いと思います。
私もRookieや保護犬のトレーニングを勉強している時に、いろいろなタイプのトレーナーさんから教わりました。
トレーニングの方法などで、面と向かって、あるいは人からの噂がまわってきて「やり方に問題がある」と言われたこともありましたが、そういう時はそう言った人からもどんな方法があるかを教わりました。犬のトレーニングをしている人達はみんな犬のことを真剣に考えている人達ですから、訊ねればみんな熱心に教えてくれました。そのおかげで犬との接し方やトレーニングに幅がでたと思います。

RESCUE INK始まったばかりなので、これからも楽しみにしたいと思います。
番組が始まって、彼らには今までとは比較できない寄付金が集まるでしょうから、それでこの団体がどう変わっていくのかも興味があります。