days of atresure

ロサンゼルスのシェルターにいたRookie。Rookieの一時預かりボランティア中に、日本帰国が決まり、正式に家族として迎えることに。大変なこと、幸せなこと、最近では幸せなことばかり、、、綴っています。本ブログの画像および文章の著作権はmamiにあります。無断転載を禁止します。

ボクはHappyなジャパニーズドッグ

はろー。ボクです、ルーキーです。
ボクはロサンゼルスのハンティントンビーチで生まれ育ち、後にいろいろいろいろあって、ママの住んでいたレドンドビーチで暮らして、そして1年半前に日本へ引っ越してきたんだ。

ママは最初ボクのLAから日本への引越しに不安があったみたい。
LAではボクのいたレスキューのスタッフやボランティアさん達が、いろいろボクたちに協力してくれていたし、散歩中に犬に出会っても、なにしろ道が広くてあちこちに空き地があるから避けるのが簡単だったけれど、日本の狭い道でボクが他の犬とすれ違えるかが心配だったんだって。

日本に到着してすぐに、ママはボク専用の挨拶状(そこにはボクの写真、一緒にボクの問題行動についてとボクの良いところが書かれていた)を作って、ご近所さんと出会った犬の飼い主さんに配って歩いた。これでボクが吠えていても、ご近所さんが見守ってくれるようになったよ。
それからママは狭い道でのすれ違いがないようなお散歩コースを何通りか作ってくれた。
こうしてボクのジャパニーズドッグ ライフが始まったんだ。

今でもよく聞かれる質問に「ロサンゼルスのほうが良かったでしょ?」というのがあるんだ。
ボクもママもいつも「どちらも良いですよ」と答えてる。
気候に関しては、夏涼しく、冬暖かく、雨がほとんど降らず、湿気のないロサンゼルスは最高だったけどね。
ボクなりにロサンゼルスと日本を比べてみたよ。

LA時代の散歩道

■ドッグラン
【LA】 とにかく広くて、犬達は自由に走り回れるよ。だだっ広いから他の犬と会わずに遊ぶこともできる。でも広すぎて飼い主さんから見えない場所へ犬がいってしまい、問題を起こすこともしばしば。
【日本】 狭いけど、そのぶん、犬たちは他の犬や飼い主さんとうまくやっていける術を学び、コミュニケーション力が増し、飼い主さん同士も助け合っているように見えるよ。

ボクもみんなに助けられて練習しているよ
■公園
【LA】 広いドッグランがたくさんあるけれど、犬立入禁止の公園がけっこう多いよ。
【日本】 ほとんどの公園が犬も入れるけれど、最近は糞放置やオフリードが問題になっていて、犬立入禁止の公園も増えてきてるみたい。

ボクは公園のお散歩大好きなんだけどな。

犬の飼い主のマナーの悪さが、犬の住みにくい社会を作っているなんて、残念なことだね。

■トレイルコース
【LA】 良い子ならオフリードトレイルを楽しめるコースもある反面、

動植物保護のため犬立入禁止のトレイルも多いんだ。
【日本】 犬連れハイカーが急増してトラブルが増え、これから規制が厳しくなりそうなんだって。

夏休みに小太郎君のハイキングに行ったよ

■アニマルコントロール
【LA】 ボクの3度目の里親さんはボクのことをとっても気に入ってくれていて、1年後には里親さんの実家のあるイリノイの大きな牧場に一緒に引っ越すことになってた。だけどトライアル中に近所の人がアニマルコントロールに留守番吠えしていたボクのことを通報して、ボクはシェルターに戻ることになってしまった。ボクは飼い主に放棄されて行き先を転々とし、この頃とっても不安だった。だから知らない場所にひとりにされて吠えてしまったんだけど、もう少し、飼い主さんを信頼しお留守番の練習をする時間がほしかったな。
アニマルコントロールやアニマルポリスは虐待されている犬を助けるシーンばかりがクローズアップされているけれど、現実は人間の暮らしのために犬を飼い主から強制的に没収したりすることのほうが多いよ。日本のみんなにはそういう一面も知ってほしいな。

【日本】 保健所が担っているのかな?アメリカほど強制力は無さそうだね。

■ビーチ
【LA】 ボクの住んでいたハンティントンビーチには有名なドッグビーチがあるよ。
だけどオフリーシュパークだから、ボクは行けなかったけどねー
ロサンゼルスは意外かもしれないけれど、ドッグビーチ以外のビーチは全面的に犬の立入禁止。だからボクは海の目の前に住んでいたのに、日本に来るまで泳いだことがなかったんだ。

ボクが入れるのはボードウォークまで。
【日本】 周囲の安全を確認してから、ロングリードを使って海や湖や川で遊んでいるよ。

ボク最初は水がすごく怖かったんだけど、今は大好き。すっごく楽しいよ。

■レストラン
【LA】 テラス席のあるレストランなら、犬と一緒にテラスで食べられるよ。でも店内に入れるレストランは無かったかな。
【日本】 ボク大好きドッグカフェ

ボクも一緒に店内に入れるし、わんこメニューもいろいろあるんだ。

■トイレ事情
【LA】 ボクはバックヤードで飼われていた犬だから、最初は外でお散歩中にトイレできなかったんだけど、お散歩に3日も続けていったらすぐに出来るようになったよ。お外で、よその犬がしたおしっこのうえにかけションしちゃったりすると、立派な犬になった気分で気持ちいいね。

お散歩道にはpoop standが何箇所かあって、そこのビニール袋とゴミ箱を使ってpoopの処理ができるので、ママは「らくちん!」って言ってたよ。
poopの放置は罰金なんだよー
【日本】 LAでもそうだったけど、コンクリートの上や、よそのうちの前では排泄しないよ。ママが「私でもよその犬や猫や人がしたら嫌」って言ってた。当たり前だよね。
歩いてすぐの河川敷に着いてから草むらで排泄するのがボクのパターン。

あとは自宅のバックヤードでも時々するよ。

ママがボク用にローズガーデンだったバックヤードを改造してくれた。怪我や病気、老後にバックヤードで出来るようにってママは言うけど、ボクは怪我も病気も老けもしないもん。
ママは「植え込みが枯れちゃうし、ご近所に臭いがしないように」と、水をかけてから、モクサク液をスプレーしている。犬の尿は強力なアルカリ性で植物を枯らしてしまうんだって。散歩中によその家の前庭やプランター、植木にオシッコかけないようにしなくちゃね。
うちのお庭には香りの良いハーブをたくさん植えているけれど、ママがハーブを料理に使えないのはボクのせいらしい。。

トイレ事情といえば、dog actuallyにこんな記事が出ていました。
http://dogactually.nifty.com/blog/2010/10/8---d41d.html#more
本文、コメント欄見ていて、犬の飼い主さんもモンスターペアレンツ化してるなという印象を持ったボクでした。
ボクは日本に住んでいて、日本のあちこちを旅しているけれど、今まで一度もトイレで困ったこともないし、コンクリートや電柱にはオシッコしないよ。あ、ジョナ兄ちゃんがもし電柱にオシッコしたらマネするけどね。

ママが「大人なんだから犬が暮らしやすい場所へ引っ越せばいいのに」とつぶやいていたよ。
ママは家を購入する時に「将来犬を飼うこと」と「都心(職場)に近いこと」のふたつを念頭において選んだんだって。
都心まで電車で30分以内、大きな公園がある、川原がある、一戸建て、で探したけど、物件はいっぱいあったし、都心に住むよりも郊外のほうが土地も家賃もずっと安かったみたい。

歩いてすぐ川原。いつもの散歩道。

車で10分の公園は野趣あふれる鳥獣保護区。ピクニックやバーベキューができるよ。

車で30〜40分の公園。ここにはドッグランもあるよ。



日本の人たちは奥ゆかしいのか(?)すぐに自分達を卑下して外国に憧れるけれど、アメリカから来たボクは日本の良いところをいっぱい見つけたよ。ごはんも美味しいし、ボクが吠えて暴れていてもアニマルコントロールに通報するのではなく、一緒に歩いてくれたり、「お、威勢がいいなぁ。」と見守ってくれるお爺ちゃんがいたり。
それに何より、日本には問題犬と言われる犬達と向き合って努力している飼い主さんが多いよ。
日本のみんなは誤解しているみたいだけど、動物愛護先進国と言われている国では、飼い主が問題行動のある飼い犬を安楽死させるってとっても多いんだよ。トレーニングクラスを受けてダメだと、安楽死またはシェルターに放棄ってすっごく多い。ロサンゼルスでもそうだったし、BBCの番組を見ていると欧州でもこういう傾向はあまり表に出てこないけれどあると思う。「○○国が良い犬ばかりなのは、悪い犬は安楽死させるからだ」なんて皮肉があるくらいなんだ。

レスキューされ、里親も見つかったけれど、問題行動が原因で安楽死になったシェパードBootsie
ボクと彼の運命は紙一重だ。

ボクだってアメリカ人のボランティアは全員「残念だけどルーキーは安楽死」って言ったんだ。ボクのママは努力と人情の日本人気質だから、ボクをうっかりアダプトしちゃったけどねー。
そうだ、レスキューでも日本人の評判はすっごくよかったよ。時間を守る、約束を守る、仕事をきちんとするってね。どれも日本人にとっては当たり前のことだけど、それが当たり前なのって、実は誇りに思っていいとボクは思う。

総じて言えば、ボクにとってLAも日本もどちらも住みやすい国です。
動物愛護先進国と呼ばれる国のしていることで良いなと思うものがあれば、それが日本の現状に合ったものなのか冷静に判断して、OKだったら取り入れて、そして日本の良いところも再認識しながら、ボク達も人間のみんなも、もっと住みやすい国になるといいな。
そしてボクたち犬族は、大好きな家族と一緒ならどこに住んでもHappyだよ。