days of atresure

ロサンゼルスのシェルターにいたRookie。Rookieの一時預かりボランティア中に、日本帰国が決まり、正式に家族として迎えることに。大変なこと、幸せなこと、最近では幸せなことばかり、、、綴っています。本ブログの画像および文章の著作権はmamiにあります。無断転載を禁止します。

【!注目!】ショードッグのスタンダードって?本当に美しい犬とは?

昨晩BSでPedigree Dogs Exposedという番組を見ました。
イギリスの報道番組で、ケンネルクラブの行き過ぎたスタンダードの形状により疾患に苦しむ飼い主と犬たち、そしてスタンダードを重視するあまりに非道な行為を繰り返すブリーダー、それを阻止しようとする被害者の飼い主の運動などをまとめたものです。
英語版ですがMy SpaceにUPされています。
ここのブログを見に来る人の多くは英語がペラペラだと思いますので、ぜひ見てください。
BBC - Pedigree Dogs Exposed
http://vids.myspace.com/index.cfm?fuseaction=vids.individual&VideoID=44215931


イギリスひどーい!と思われた方もいるかと思いますが、アメリカでも日本でも現状は変わりません。
この番組ではショードッグにスポットを当てていますが、先天性疾患は今いる犬たち将来生まれてくる犬たち全てに関わってくる問題です。
食い止めるために、私達ができることは何なのか、常に探し、そして出来ることは努力していきたいと思う。


人間の好みの形に犬の姿を変えることで、犬が愛されて幸せに暮らせるなら、それも良いでしょう。
ただし、容姿を追求するあまり、あまりにも多くの犬が重過ぎる先天性疾患に苦しんでいます。
犬の繁殖をするならば、心身ともに健康な犬が生まれるように、徹底してほしい。
そして無理な矮小化や形状を追求し、犬の身体に負担を強いるようなことはやめてほしい。
自然分娩できない犬種、犬種固有の先天性疾患に苦しむ犬、、、
そんな無理のある犬種のスタンダードは即刻、変更してもらいたい。


ドッグショーでは容姿だけではなく、心身ともに健康な犬をチャンピオンにしたら良いと思う。
容姿は美しくとも先天性疾患を持ち、まともに生活できないような犬をチャンピオンにしないでほしい。そして先天性疾患に苦しむチャンピオン犬を繁殖させないでほしい。その子孫と飼い主達も苦しむことになってしまう。
一般飼い主さんも虚栄心から有名なだけで不健康な犬を欲しがらないでほしい。犬を欲しがる前にきちんと勉強して、健全な犬を欲しがって欲しい。高いお金をだして欲しがる人が多いから、儲かるから、ブリーダーは無茶な繁殖を繰り返すのですから。


友人の中にもドッグショーに関わっている子がいて、一緒にドッグショーを見に行ったときに、彼女がトリマー仲間と楽しそうに話している内容は、シェルターでドッグレスキュー活動をしている私には信じられないようなことが多く、ふだん仲が良かっただけにかなりショックを受けたものです。
同じ「犬好き」でも立場が違えば、こうも考え方が違うものかと。


シェルターでボランティアしていて実感したことは、捨てられる犬には理由があるとことが多いということです。
彼らのほとんどは繁殖の失敗による身体に欠陥があったり、精神的に情緒不安定だったりします。
ひどいアレルギーやてんかんだったり、股関節形成異常により介護が必要な犬たちの面倒をみきれなくて放棄する飼い主より、そういう犬を繁殖で増やした繁殖者の方が罪深いと私は思います。


身体の疾患だけではなく、犬の性質も高い確率で遺伝します。性質の難しい犬は捨てられる可能性が高くなります。犬を捨てる飼い主側も多くの場合は、やすやすと愛犬を手放すわけではありません。愛犬の病気や問題行動に悩み、いろいろな場所に相談し、高い治療費やトレーニング代を支払って、生活に支障をきたし、ほとほと疲れ果てて限界になって安楽死や放棄するのです。
私は大きな問題行動をおこす犬達がプロのドッグトレーナーによって、問題行動を起こさなくなる姿をたくさん見てきて、トレーニングの大切さを実感していますが、一方で多くの飼い主はプロではなく普通の人で、仕事や家庭を持っています。犬にばかり1日中時間をたっぷりかけるわけにはいきません。普通の人ではハンドルしきれないような性質の犬は生み出さないほうが良いと思っています。


たとえば私の犬Rookieはものすごく神経質で臆病で恐怖から、異常なくらい激しい攻撃性を見せます。
彼はたった半年のあいだに私が知っているだけで4回里親を見つけましたが、4回とも1週間以内にリターンされてきました。
私は彼の里親さんだった方達を責める気にはなれませんでした。彼らはみんなペットショップやブリーダーからではなく、シェルターにいる保護犬を家族に迎えようとしてくれた優しい人たちです。シェルターからアダプトした犬を飼いきれなくてリターンすることは彼らにとっても辛い決断だったはずです。実際4回目の里親さんはRookieをリターンする時泣いていました。
心や身体に疾患を持った犬は犬自身も飼い主も大きな苦しみを抱えることになります。
私がRookieをアダプトして飼い続けることができたのは、私にはRookieのためにかける時間がたくさんあったことと、レスキューボランティアでの活動を通して犬のハンドリングに馴れていたこと、信頼できるトレーナーに出会うことができたからです。

この写真わかります?瞳孔がひらいて、息も荒いです。
ものすごーく遠くでカミナリが鳴っており、恐怖から精神バランスを失いかけている我が愛犬Rookieです。
こうなると数時間はガタガタ身体を振るわせ続け、食事も取らず、深夜になっても眠ることさえできません。ふだん垂らさないヨダレもダラダラこぼしていました。
Rookieはアメリカで獣医さんからホルモン剤の投与を勧められていました。


人の手によるブリーディングは、心身ともに健康な命をつくりだすものであってほしいと願わずにはいられません。
心の疾患、身体の疾患に苦しむ犬と飼い主がこれ以上増えないように。