days of atresure

ロサンゼルスのシェルターにいたRookie。Rookieの一時預かりボランティア中に、日本帰国が決まり、正式に家族として迎えることに。大変なこと、幸せなこと、最近では幸せなことばかり、、、綴っています。本ブログの画像および文章の著作権はmamiにあります。無断転載を禁止します。

里親希望者さんのきもち


日本に帰国し、某愛護団体でお手伝いをはじめて、本当にたくさん里親希望者さんたちが傷つくのを目にしました。なかには保護団体が泣かした希望者さんも、この短い期間にひとりではありません。
保護犬の譲渡というのは、そんなに難しいものでしょうか?
里親希望者さんと保護犬のライフスタイルがマッチングしていたら、喜んで犬を送り出して、里親さんから相談がなければ、しばらくはそっと見守ってあげてほしい。そう思うケースがこの数ヶ月間でたくさんありました。
保護犬が幸せになること、条件の良い里親さんを探してあげることと同じくらい、里親希望者さんが保護犬を迎えたことで幸せになることも大事で、そうなるように手助けするのが保護団体のアドバイザーの役割なのではないでしょうか?

ここ何件か、里親希望者さんの何気ない言葉の重箱の隅をつついて、保護団体がトライアル中の犬を取り上げるのを何度も見ました。
里親さんの何気ない言葉に過剰反応してコトを大袈裟にして、何度も何度も毎日のように電話や実際に家に押しかけ、里親希望者さんを精神的に追い詰め、自信喪失させ、犬を返すように仕向けるのです。
私から見たら、その里親さん達は犬を大切にして愛情かけているし、犬も里親さんにすっかりなついていました。
それを連日押しかけてキツイ言葉で問答して、犬を取り返すというのはどういうことなのでしょうか。
里親さんはパーフェクトではありません。もちろん私もパーフェクトではないし、犬を飼っている人で誰の目から見てもパーフェクトな人なんて、はたしているのでしょうか?
でも犬から見たら、安心できる住まいと美味しいごはん、信頼できる家族からの愛情があれば、満足なのではないでしょうか。
ほとんどアテンションも無く、散歩にもいけない、ふきっさらしのシェルターに戻るより、どんなにか幸せか。

里親希望者さんに足りない部分があるのならば、正しい知識をやさしく教えてあげればいいと思うのです。
保護犬の問題点について相談されたら、「犬の文句を言ってきたのよ!あの人ダメね」なんて怒ってないで、正しいしつけの方法を教えてあげればよいのです。

残念なことに保護団体に所属するボランティアは犬について正しい知識に欠けている人も多いのです。その歪んだ知識で里親希望者さんをやりこめてしまうので、絶句です。。
たとえば、リードマナーのできていない犬にハーネスでの散歩を薦めたり(私ならハーフチョークを薦めます。力のとても強い攻撃性のある犬ならジェントルリーダーを勧めるかも。でもジェントルリーダーやハーフチョークはかわいそうなので嫌いだそうです。ハーネスは犬に荷物を引っ張らせるために作られたものなのに。)、怖がりでテーブルやソファの下に潜っている犬にパーソナルスペースとしてケージを勧めたら「ケージなんて要らないわよ!ケージって大嫌い」と犬の行動学を無視して反対したり、留守番させるのはかわいそうだからと言って買い物に行くときは車で待たせるのもいいわね、と言ったり(せっかくお留守番できる犬なのに、一緒に出かける癖がついて飼い主に依存し、お留守番出来なくなってしまったらどうするのでしょう、今は涼しいから良いけれど夏は車で留守番させられないのに)。
譲渡会場でも男性を怖がる犬がいると、すぐに「この子は男性に虐待された過去があるの」と勝手にストーリーを作ってしまいます。女性に比べて体が大きく表情が読み取りにくく声が低い知らない男性に対して犬が怖がるのは特別なことではありません。それをすぐに虐待に結びつけて説明するので、里親希望者さんが変な先入観をもって犬に接してしまいます。

よく「この犬達は人間に捨てられたから人間不信で。。」と言っていますが、人間不信なのは保護団体のボランティアたちなのかもしれません。
日本の犬関係の掲示板などで、保護団体が悪く書かれているのを目にして不思議に思っていましたが、参加してみて「ああ、こういうことだったのか」と思っています。
せっかく里親になりたいと申し出てくれる人があんなにいるのに、片っ端から断っていたとは、、、
保護団体に傷つけられた人達はもう里親にはなってくれないでしょう。その方たちは犬と暮らしたいのだからブリーダーやペットショップで犬を買うのでしょうね。。

自分の理想とプライドのために突っ走って、里親さんどころか、保護犬を蔑ろにしていないか。
高い理想を持って活動すること自体は悪くないのですが、それが自己満足だけになってしまっていないか、考えることも必要だと思います。
また保護を始めた10年以上前の知識に固執し新しい情報をシャットアウトしないで、他人にアドバイスする立場なのだから常にアンテナを高くし、正しい行動学やしつけ、犬を見る目を学ぶ必要があると思います。
そういう流れを作れるようにもう少し今のところをお手伝いしてみるつもりです。

人と犬は一緒に幸せになるもの♪
※写真は日本の保護団体とは関係ありません